これからのまちつくり フォーラム

司会 定刻になりましたので始めさせていただきます。まちづくりフォーラム主催の伊
藤滋先生の「これからのまちづくり」ということでお集まりいただきましてありがとう
ございます。司会は まちづくりフォーラム の作田です。千葉県の職員なんですけれども、
よろしくお願いします。

さっそくですけれども、本日伊藤滋先生をお招きしまして「これからのまちづくり」に
ついてお話し頂くことになりました。先生のプロフィールは後程ご紹介致しますが、今
回来ていただくことになった経過等につきましてもお話の中でちょっとしていただけば
有り難いかなと。アクアラインができてまだ通ったことがないよというお話が、ある所
でされまして、じゃあぜひ来て下さいという様な事で今日の企画が始まりました。最初
はどういう形でやるかと色々あったのですが、出来るだけたくさんの人にきて頂いて、
先生の普段のいろんな立場で広く活躍されている一端をわりとカジュアルな雰囲気の中
でお話し頂ければ。できれば参加した人からもいろいろな質問が出て、参加型のフォー
ラムという形で進められれば有り難いなと、そういう事で企画してみました。
で、先生のご紹介をさせていただきます。1931年東京にお生まれになって、1955年東大
農学部林学科をご卒業、その2年後さらに工学部建築学科をご卒業、その後引き続き1962
年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻の博士課程を終了されました。その後M.I.T.
等いろいろな世界的な関係のご活躍をされ、最近では1994年から慶応義塾大学大学院の
政策・メディア研究科の教授ということで、現在に至っていらっしゃいます。なお東京
大学の名誉教授でもいらっしゃいます。先生の専攻は都市防災論あるいは国土・地方計
画、それから当然都市計画またご自身も建築ということで、かなり幅広いご活躍をされ
ていらっしゃいます。公的な委員審議会ということに関しては、現在、建設省都市計画
中央審議会の会長さん、建築審議会の委員さん、国土庁国土審議会の委員さんもやって
らっしゃいます。著書もたくさんお書きになっていらっしゃいます。なお特に都市計画
家協会の会長さんということで、後程そのあたりのお話もあると思うのですが、都市計
画家というものの立場を社会的に色々重要な啓蒙等をはかられていらっしゃるようです。



成岡 今紹介ありました まちづくりフォーラム の成岡と申します。県の建築指導課の
職員なんですけど、今日は日曜日にもかかわらず、遠い所まで来て頂いてありがとうご
ざいました。まちづくりフォーラム は県の研修所が行っている自主研究グループという
ものがありまして、そちらのグループで登録しまして、10数年取り組んできております。
今日は伊藤滋先生に来て頂いて、千葉県のまちづくりということを主題にしまして、こ
れからの新しい経済社会のこういう情勢の中でのまちづくりについてお話して頂く予定
にしています。
今回の企画については、木更津、市原、千葉とか市民で色々動いている
方と実行委員を組みまして、何とか今日までこぎつけました。
お手元に問題提起という事なんですけど、まちづくりのもうひとつの視点という事で資
料があります。まちづくりフォーラム は最初に住宅都市問題研究会という事で昭和61
年度位から都市部土木部を中心とした職員が集まって、自分たちの仕事上の問題を勉強
しようと始めまして、その後まちづくり研究会という事で取り組んできました。平成元
年から2年にかけて生態系を重視したまちづくりという事で、今は当たり前になってい
るんですけれど、自然と共生したまちという事で自立型都市を目指して取り組んできま
した。平成5年度から6年度は豊かさを実感できるまちづくりという事で市民参加とか、
参加のまちづくりという観点で取り組んできました。平成7年度は地域と文化とまちづ
くりという事で、地域の歴史・文化とかそういうのをふまえたまちづくりをやるべきで
はないかというような事を取り組んできました。平成8年度になりまして、美のあるま
ちをつくるという事で色々生態系とか参加とか文化とかそういう色々な取り組みをして
いるのですが、最終的には景観とかそういう事にも配慮したまちをつくるべきではない
か。今回都市計画審議会の答申等をみても、環境とか文化とか参加とか美とかそういう
観点は、ある意味では、もう今の時期では当たり前の認識になってきているんですね。
その辺が開発とかまちづくりの中でなかなか取り上げる事ができないというか、今まで
の昔のバージョンでやっているものですから、なかなかその新しい価値観を取り入れる
事ができないという様な中で、私たちも仕事の中でジレンマに陥っている所があるんで
すけれども、今日は先生の方で国土審議会の委員とか都市計画審議会の会長さんとか、
国レベルの長期計画とか、そういうのに取り組んでおられる観点でですね、我々の日常
的な価値観をより一歩変えていくにはどうしたら良いかみたいな観点でですね、本音の
ところを語って頂きたいという所で期待しております。後で質疑等もありますので、会
の進行に色々ご協力お願いしたいと思います。失礼します。

司会 それではこれから伊藤先生の方にお話頂きたいと思います。
先生、よろしくお願い致します。

伊藤 それでは2時ぐらいまで40分、45分ちょっとお時間を拝借させて頂きます。
え〜と問題提起という事ですので、あまり起承転結がってにしゃべらないで、みなさん
が御関心があるような話をしようかと思っているんですね。ひとつ出だしに私は都市計
画を専門にしているとご紹介ありましたけれど、都市計画という言葉の本質は何だとい
う事を申し上げたいんです。とかく新聞などでまちの行政がおかしい、ごみ処理場が決
まらない、あるいは日影の問題が出る、あるいは学校の越境入学が多くて困るとか、い
ろんな問題がまちの中で起きて、市民の皆様方から市町村の議員さん方にそういう事を
話される、で、議員さんが議会で質問する、そういう事を新聞記者が聞くと大体、都市
計画が悪いという事になる。都市計画というのはそういう点で市役所の行政や議員さん
の活動の不十分さを非難する時に非常にいい言葉で、都市計画が悪い、だからまちづく
りが必要だ っていうんですよね。非常に抽象的なんですよね。そこの根底に何があるか
というと、都市計画は役人がやるもんで、まちづくりは市民がやるもんで、市民がやれ
ば絶対いいまちができて、役人がやると絶対悪いまちになるという、そういうルールを
新聞記者が作っちゃっているんじゃないかという記事が多いんですね。はたしてそうか
という事なんですが、そういう事について少し掘り下げていくと、まちづくりという言
葉よりも都市計画という言葉の、本当に都市計画を学者がどう考えているかという事の
根本みたいな話に突き当たるのです。で、私、こういう風に考えてまして、いろんな意
味で都市計画という言葉が使われますが、一番重要な事は、都市計画は基本的にわがま
まを許さない、我慢をするという事を、私たちが役人の口と手を借りて実行する事です
ね。どうして役人の口と手かというと、私たちは、国会の代議士さんを通じて法律をつ
くり、その法律に従って法律の運用を、国会や市役所や県庁の役人の人たちに執行を、
ま、法律によってそういう事をやる権限、仕事の内容をする実行を賦与している、法律
に基づいて。あるいは信託している、と言えるかもしれませんね。最終的には私たちが
この世の中で生活する時にあまりわがままを言わない、隣近所にご迷惑をかけない、と
いう事を実行させる。これが都市計画なんだと。これが根本論だと思うんですね。これ
をもっと下世話な言葉で言うと、向う三軒両隣はあまりお付き合い上困るけんかは起こ
さないようにしよう。こういう事が都市計画の出発点なんですね。それは何かと言うと
例えば、皆様のところに100坪のお家があって、お父さんが死んだ。良くある話ですね。
子どもが1人しかいなかった。で、相続税を払うってんで100坪の土地を50坪に二つに
分けて、跡取り息子が50坪のところに住んだ。相続税で、50坪の土地を売った。売る
については、なるべく高い値段で売りたいわけですから、不動産屋に話をする。そして
高い値段で買いに来た人は、あまりまわり近所のことは知らないけどもその場所がどう
いう道路に面していてどういう地形か、駅から何分か、それからその地域全体の風評か
らみて、ここにこの小学校に子どもを入れると、まあ、県立の高校位入れられるか、と、
まず、こういうような事は気にします。しかしその敷地の周りの向う三軒両隣について
はあまりわからないわけです。で、買いますね。買って、その家を建てる。で、家を建
てるについて、先ほどご挨拶をされた成岡さんのいるところの役所に行って、こういう
図面で家を建てますのでよろしくと。お役所は、ハンコを押して下さいという、そうい
う図面を持っていかないとだめなんですね。で、この図面に役所がハンコを押す時に、
さっき言った我慢をしろと。向う三軒両隣とお付き合いを良くしてくれという事が動き
出すわけで、そこでお役所は、あなたの買った所は低層の1種住居専用地域、という事
は一戸建てしか建てられない、ほとんど住宅だけしか許さない。そういう地域社会だか
ら、それにみあったかたちで家を建てなさい。そして、建ぺい率という言葉でいうと、
一番厳しいのは30%、容積率は50%だったかな?30の50だとか、40の60だとか50
の100とかあるんですけどね。で、たまたま50坪の所にいまして、あなたの所は40の
60として、建ぺい率が40ですから、50に0.4かけて20坪、一階は20坪、で容積率は
60ですから50×0.6で30坪でしょ?一階に20坪つくっちゃうと上は10坪しか建てら
れない。そういう2階建てのことになりますよ。そういう木造を建てるのなら許してあ
げます。それからもっと親切な人は(今ほとんどいない、通用してないんですけども)親切
な建築指導課の窓口の人がいたら、どうもあなたのお宅の隣には比較的細かい事を気に
する、昔の女子大をでたおばあさんがおられます。そのおばあさんの日頃の事からいう
と、あなた、民法の敷地から1尺5寸、45cmですね。45cmのところに家を建てないと、
建築基準法ではなく、民法の方から、あなたの建て方について、訴えられる危険性があ
りますよ。こういう事を言うかもしれません、もし親切な役人がいたら。今言った事が、
まさに向う三軒両隣。そこのおばあさんが言った外壁を1尺5寸下げて建てろというの
は、民法に書いてあるんですよ。基準法には書いてないんですね、確か。ですが、この
民法というところが、実は向う三軒両隣の生活について不都合の起きないようにという
事に一番基本を書いてあって、その基本型を現代版に技術的に直したのが建築基準法な
んですね。だから元々からいえば、民法上のこの1尺5寸というのは、古くて一番尊重
しなければならない。これ、今ほとんど尊重されていません。それは、隣にそういう事
を気にする昔女子大を出た70、ま、80位のおばあさんがいなくなったからかもしれませ
ん。しかしそれで、私はそういう事で、今から35年位前に、隣地にアパートを建てる時
の建て方がけしからんという事で、たまたま私、大学院の建築の学生だった事で相談を
受けまして、民事訴訟を起こして、損害請求をだした事があります。で、なんで、1尺5
寸なの?という事ですが、特に1尺5寸というのは昔にさかのぼると、両方で1尺5寸
下がると、3尺ですね。3尺ですと、1番奥に便所がありまして、表からですね、昔は
お百姓さんが肥桶をこう、横に天秤でかついでカニの横ばいでずっと行って、後ろのお
便所から下肥をいれてこうやって行った時に、樽から染み出た下肥で壁が直接濡れない
のが3尺。3尺の中でお百姓さんがそういう知恵を使ってうまくやったんです。だから
あれ、下肥をとるのが本来、大事な1尺5寸ずつなんですね。これ非常に重要なんです。
昭和の始めのたぶん千葉でも木更津でも昔に出来上がった町屋さんではそういう通路が
あったんですね。ただその美観のためにとか通風のためにではなく、まさに下肥とお百
姓さんの車と道路の関係で自然にできあがった。民法でつくられているいろんな約束事
はお役所が上から決めたのではなくて、自然に出来あがった約束事を民法のいろんな法
律の中に組み込んでいるわけですね。ですから、都市計画というのは今言ったように自
分を主張するのではなく、自分が我慢すると、おとなりもがまんする、それで、ある地
域社会としてはこの深刻なけんかがおきない、それでまず子どもも隣近所と仲良しにな
れる。そういう事なんですね。都市計画と言う言葉のそもそもの意味は。それが、原点
がしばしば忘れられて、都市計画が悪いっていうと役所がやっている道路事業はけしか
らんという話で新聞記者が書いたりするんですね。お役所の方もこれは我慢して下さい
よとなかなか住民に言えないから、本来ならしょっ引かなきゃいけない建築基準法の違
反も目をつぶっちゃう。とかいう事になっちゃうんです。すみません、どうも。(苦笑)
先ほど言った1尺5寸下げるというのも、これを民法上決めたっていうのもきっと江戸
の明治政府の頃の山の手と下町の比較的いいお店屋さんが並んでいた所で、建物の建て
方が1尺5寸なんですね。ですが、もしかして、大阪の街や建築だったら少し位露が飛
んだっていいじゃないかってんで2尺になっているかもしれませんね。それから京都の
町屋ですと、下肥を運ぶってんでも、ま、あなたの家のものなんだからあなたの家の中
を通りますよってんで町屋建築で自分の敷地の中の通路を使うって事をやる。それぞれ
地域によって特徴があるわけですね。それをその建築基準法や都市計画法というのは地
域の実状という事を色々あるけれども最小限守るべき事は国が決めて守ってもらわなけ
れば困るってんで、バーっと一律に決めちゃったんです。ですからそういう点でいろい
ろご不満が出てきている。都市計画というのは何も経済的に得する事はございません。
損する事が多いんです。損する事は繰り返し言いますが、周りの人のために自ら損をし
ている。みなさんはそういう風になっているんですね。これが都市計画の根本なんです。
で、そうすると、身の回りの事を全部我慢するという事なら何もお役所から言われる事
無いわ、私たちが私たちのまちについて、ひとつのルールを作って決めていけばいいじ
ゃない。そういう話がでてきます。これは当然でございまして、もともと都市計画法が
できたっていうのは、大正の頃でそれが根本的に戦後直ったのは昭和の42〜43年でした。
42〜43年というとご存知の東京オリンピックから4年、大阪万博のちょっと前ですか。
札幌オリンピックとかですね。その頃はもう皆さんのお住まいの場所を良くするどころ
か日本列島全体が経済がどんどん拡大してきまして、自分の事よりも会社の事、会社の
人は、会社の事よりも業界の事、業界が集まると、その業界の利益代表の代議士をつく
る事。なんて言う話がずっともっと当たり前に世の中で言われるようになる。
自分の足元に、いずれはそういう風にして努力すれば、最後にお国か業界か会社が、お
金で何千万円かどうぞご苦労さんで退職金の上積みとか、社宅を安く売ってくれるとか
で戻ってくるだろうという事でがんばってきたのが昭和42〜43年頃です。で、それで30
年たったら、どうも戻りがなくなっちゃいましたね。そう思って働いてましたけれど。
戻りはどうも個人のところに戻らないで、会社とか政治団体、業界とか企業の集合体に
私たちの働いたのが戻ったままなかなか足元に降りてきてないですね。これは農業も工
業も政治も商業もみんなそうなんですね。そうしているうちにこれから非常に面白い事
が起きてきたのは、教育制度が日本は四の五の言われましたがとにかく戦後一生懸命や
りまして六三三四制が非常に当たり前になってきている。高校行くのも当たり前、本来
大学へ行ってもらっては困る人まで大学行っちゃったから、一番困ったのは、私は林学
という世界に有意な人たちが来なくなっちゃった。林学に来て働いてもらう方が本当に
いいという若者が気がついたら商学部に行っちゃって、どっかの保険会社に入っちゃっ
ているとか。だから困るんですよね。全部大学にいくっていうのは。だけど、ま、大学
いくっていう風にお母様方は特に一生懸命になっている。で、男も女の子も短大いった
り、大学いったりあるいは専門学校いったり、で、そこでは教える事は'世界では'ってい
う話をする。'日本では'というより、'世界では'。まず、'では'っていうのは、日本では何
が起きているかではなく、世界で何が起きているか。大学も高校も全部同じ。パリは素
晴らしいとかそういう話になって、みなさんもお金がありますから、観光旅行する。観
光旅行するうちに僕はやはり日本人立派だと思うのは、観光旅行なんて2〜3回やると飽
きちゃうんですよね。心ある、特にお母様方はグループ旅行という時に目的をもって旅
行するようになりますね。まずお料理のおいしいレストランを探して歩こうと言う事に
なる。次はファッションの素晴らしい街を見ていく。それが飽きると今度は、そろそろ
そこから都市計画なんですけど。街を歩いて楽しいという、きれいな通りを見てみまし
ょう。その辺にくると英語も少ししゃべれるようになりますから、そうするともうひと
つ元気なお母様方は、ここから、じゃあ、市民の海外交流を。ボランティアグループを
作りましょう。これはみんな率直に言うと、お母様方がやっています。男どもひとつも
やっていない。なぜかというと、お母様方はちゃんと貯金を亭主からの貯金を月給やい
ろんなものを貯金して、非常に安く楽しく、みんなで旅行する術をこの20年間の中で
身にしみて実行力を持っちゃっている、旦那はボワッとしているだけ、これ、本当事実
なんですよ。そこで、外国行って見てきた時には経験というのは、日本で教育が進んで
ますから批判的に物を見るっていうことまでやり始めるわけですね。街を見るとか、フ
ァッションを見るとか。批判的に見る時には何て日本はひどいのしら、という話の批判
力もあるわけですね。片方で、そういうお母様方が帰ってきて雑談をすれば、私たちで
まちづくりをすればよっぽど市役所のお兄さんにいろんな事を考えさせて良くなるんじ
ゃないのなんて話が出るわけです。で、木更津市は知りませんけども、私は具体的な場
所はいつも他に移しますから。仮に神奈川県藤沢市としますと、藤沢市に湘南台という
駅がある、奥様方が、どうも湘南台の駅前が殺風景でしょうがない、少し位あすこにし
ゃれたマロニエの木でも植えたら、身障者の皆様方の少し歩き安い様なそういう石を選
んで歩道を造ったり、看板もなるべく少なくしたり、なんていう事を考えるわけです。
そういう街どこにあるかというと、あるわよ、と。たとえば、オランダの街、オランダ
のデルフトの街行ってみなさいよ。こういうのは行ったお母様方は知っているんですが、
こういうお母様方が、突然藤沢市役所の都市計画課の湘南台担当のお兄ちゃん32〜33才
の係長か、係員に、そこでしゃべるとその人たちはポカーンとして何がなんだかわから
ない。いいですか、藤沢市都市計画課土地利用班湘南台駅前担当なんていう名刺のお兄
ちゃんとこ行ってしゃべるわけです。何がなんだかまったくわからないのは当たり前で、
そういうお兄さんがですね、お役所の金で外国旅行なんて絶対できない。市役所で外国
旅行行けるというのは、これまでの習慣だと定年間際の部長か部長心得位になって、一
週間じゃあご苦労さんでしたっていって海外研修行って変な事すると、警官に捕まっち
ゃうなんていう不器用なことしかできないんです。それは随分市民の税金無駄遣いなん
です。議員さんがこないだ某県で相当な深刻な事をして労災で本当に死者がでましたね。
ああいう無駄遣いは本当に良くないんです。一番今僕が言いたい事は、頭が柔らかくて
むしろお母さん方と割合うまい関係で話し合えるそういう男の子ですよ。お母さんだか
ら男の子。その子をですね、これから市役所は積極的に毎夏一ヶ月貧乏旅行させればい
いんです。今アメリカ行って帰ってくるのは安ければ10万きるでしょ?パックで、飛行
機だけでね。あとはレンタカーで安いモーテル泊まれば1日30ドルもあれば生きていま
すよね。だから、2週間で30ドルで400ドルですか?それに飛行機が500ドルもあれば
いいでしょう。1,000ドルですよ。14、5万で2週間行ってこい、そのかわり、それは役
所の金だぞ夏休み使ってお前とお前とお前と行ってこい、3人でも15万円で45万円
でしょ?こういう方がよっぽど役に立つ、そういうシステムになってませんから、だか
ら役場のお兄ちゃんたちポカーンとしている。現場も知らないし、名前も知らない。と
ころが質問してくるお母様方、全部知っている。そのために旦那のお金を何年かにわた
って何百万か使っているわけですから。これ、闘えないんですよ、要するに、市民の普
通の皆様方のまちづくりに対する知識が、非常に多くなってきて、それをですね、発言
する方が女性である。女性ってのは今までの制度枠組みにとらわれない発言をする。そ
の人たちの発言は亭主が頼りにならないから、役場の若い男に向かう。役場の若い男の
方は、制度、枠組みの一番末端にいますから、これもしがらみの中でしか動けない。た
だ特典は、若い男だから、おばさま方には魅力があるんですね。使えるんじゃないか、
そういうのが今の実状なんです。で、ここで、良い事と悪い事とあるんですね。今まで
の都市計画ってのは、全国一律で、お役所がひとつの法律と代議員制型の民主主義とい
う(ひとつのフィクションかもしれませんね)フィクションだけど、みんながそれを信用せ
ざるを得ない手続きとするフィクションを使って建設省が法律をつくり、その法律がい
い事だってんで、法律の解釈を県に申し渡し、県はそれを県版として解釈を拡大したり
縮小して市役所に伝えるという事をやって都市計画。と、都市計画の基本とは忘れられ
ちゃっている。それを今度はまちづくりという言葉の中から、私たちがやろうじゃない
のと奥様方が集まって、規制しがらみの一番末端にいる市役所のお兄ちゃんと話してい
るところで、もう一度、都市計画は何かということを確認する作業がはじまっているわ
けですね。それが我慢するっていう事なんです。だから、こういうまち素敵じゃない、
こういう人が本来この通りを歩くべきじゃないといった議論を奥様方が若い人に吹っか
けた時に若い職員はわかんないけれど、奥さんのいう事は身に感じる。で、何とか努力
してしようとすると、やっぱりまちをきれいにするっていう事は看板をなくす事かもし
れませんし、それから、車椅子で自由に歩けるって事は、車道をきちっと、車道を思い
切って狭めて、今まで対面通行だったのを一方通行にする事かもしれません。一方通行
にすれば今度今まで静かだった通りに反対方向の車が流れますから、これをどうするか
っていうまた問題がおきますね。みんなが我慢しあいながら全部満足しないけれども一
番重要な事は何かというのを選んで一番重要な問題を解決するためにみんなが我慢しよ
うと、そういう事を話し合う。地域社会で話し合う。それが都市計画。そういう風に変
わろうとしている。で、それなら次ですね。片方、市役所の方で市民の要求に対して
うまく答えられない、ギャップがある。そこをどう解くかということですね。ひとつは
若い人に勉強するように色々金をやって、年寄りは行くのを我慢して退職金で行っても
らいましょうと。それもひとつのやりかたかもしれませんが。もうひとつはですね、
ここからは非常に変な話ですが、役所対民間、あるいは役所と奥様方という対立図式に
置くんではなくて、ここでようやっと男の出番がでてくるんですが、第三者がそこに入
ってくる。第三者が、この、わかったと。若いやつの杓子定規の言葉もわかるし、奥様
方の事もわかると。だけど、この議論だと両方わかるとも言っちゃおられないから、
私の判断はこういう風にしなくてはいけないと、実は判断と共に提案をして、これは奥
様方の言い方はちょっとわがまま過ぎる、役所の若い子の方が筋が通る。私はそう思う
から、こういう図面にします。こういう事どうですか。これをもう一度持ち帰って役所
は役所なりに、奥様方は奥様方なりに検討して下さいという提案をするんですね。そう
いう人がいるといないとで随分違うんです、ものごとは。実はですね、そういう事を、
これは変な話なんですけれども、今から10何年前に私はあるところで経験したんです。
それは地域のですね、荒川区の本当にごちゃごちゃした所だったんですけど。荒川区の
町工場がいっぱい集まっていた所のおじさん達が何かのことでお金に困ってですね、工
場が建てられなくなった。みんながお金を出し合って作ってた工場なんです。で借金し
ようと区役所に金を借りに行った。区役所はあなた方の要求する工場の増築資金は、区
役所の零細中小企業に用意しているお金の中に該当しないから申し訳ないけど、これは
区役所では受け付けられません。と言った。これはもう金を貸せ貸すといった役所と地
元の工場のおじさん達の対立でしょ?で、これ、不毛の議論になりかかって駄目だった。
たぶん商工中金とか、中小企業金融公庫とかそういうのもあった、それも区役所が色々
調べて結局駄目だった。そしたら、偶々そこにある銀行がはいってきた。銀行がはいっ
てきたら、その銀行の配下のどっかの信用金庫に渡りをつけて金を貸す事にした。だけ
ど、きっとそこで何らかの銀行は担保の取り方とかそういう事で通常じゃない担保の取
り方とったのかもしれない。とにかく金を貸した。その工場が拡大して仕事が増えた。
その銀行が大和銀行という銀行だったんです。大和銀行って今悪名高い銀行ですよね。
ニューヨークで変な事やっちゃって。ですが、15〜16年前銀行ってのはまさに第三者的
だったんですね。役所と実際仕事をしている相手がギスギスした関係にあった時銀行の
人なら一応、客観的に信用できる事をやってくれるのではないか、これはバブルの前の
私たちの銀行に対する一種の信用だったと思います。ところがバブルの時何やったかと
いうと銀行はとんでもないことをやった。白日のもとにさらされると、まあ悪い事の連
続だったというのが、僕もわかったんですね。これは考えてみると金に麻痺しているよ
うな所に頼むから駄目なんでお金に極めて敏感な毎日毎日どうして暮らしていいのかわ
かんないような所に頼めばそう悪い事はしないだろう。そういう第三者って必要ではな
いか、まちづくりに。銀行はもう駄目だ、そこでどうかと言うと、私は都市計画家協会
の会長をやっているんですが、これは役に立つぞ、というこの宣伝をちょっとしなけれ
ばいけないんです。なぜならばここに村山さんという、おっかない僕をちゃんとしゃべ
ろよと睨んでいる会員がおりまして。この家協会の会員は今たかだか表向き500名、実
質350名位ですかね。こういう魅力があって、体力があって、口も達者足も達者、但し
金が無いという、役所を退職したり大企業を退職したり学校を退職したりした人たちが
集まっています。もちろん、若い人もいますよ。こういう人たちは基本的に役所にいた
時大企業にいた時、大学にいた時研究所にいた時、何やっているかというと批判とそれ
に対する答え、反論だけではなくて。批判と反論の議論の中でいろんな矛盾が出てくる
んですけど、その矛盾を一応整理しながら、ある提案をするという事を全部やってきた。
その提案には悪い提案もあるし、いい提案もある。何十年という勤めの中で経験してい
るこういう人を今第三者として使うという事が必要ではないか。これ一種の宣伝もあり、
かなり真実を言っています、私は。この人たちは金がないんですよ。手弁当でやってま
すけど。非常にけしからん話だと思いまして、普通皆様方はお医者様にかかると点数で1
点あたり十何円で計算して健康保険からお金を払うとかやってますね。それから最近は
税理士さんだって頼むと大変ですよ。3月15日所得税の時税理事務所やったら、書いて
税務署に出しましたといってしばらくたつと10万とか20万とかの金がくるでしょう。
お店屋さんだったらン十万とられますよ。弁護士さんだってそうですよね。1時間確か普
通で1万円でしょ?もっと能力のある弁護士さんだったら1時間2万円とかとるでし
ょ?まちづくりだって、考えてみると、ものすごくそういうキリキリいきりたっている
奥様方と、もうこっちも若いから青筋立てて怒鳴りまくっている市役所のお兄ちゃんと
の間に立って、この議論の落ち着く先はどこか。本日の夜6時から8時までの間に結論
はこの程度にしなくてはいけないと、いきりたっている議論の中から整理して、じゃあ
次の会議までにこういう資料でこういう提案を作りますって。これは相当の経験と能力
とがなければいけない。その人たちに2時間とか3時間座っててもらって話し聞いて提
案するまでのお金、どこから出るかというと出る所無いんですよ。今出す所があるとす
ればそれはよくわかりませんが、市民団体やNPO、NGOの人から見ると本当にとんで
もないという所しかお金の出所ないんですね。それは役所、いつも怒鳴りまくる役所。
それかあるいは率直に言うとゼネコンさんしか金を出しませんね。ゼネコンさんももう
無駄金は出せなくなりました。不動産会社は意外とけちで出さないんです。本当、僕は
世の中の実状知ってますから。銀行は出しません。銀行位けちなところはない。土建屋
っていうのは意外とそういうのは太っ腹なんです。あたるも八卦、あたらぬも八卦、馬
券当てるようなものだと思って、あるところのプロジェクトに村山さんはそんな事やっ
てないかも知れないけど、ま、竹山さんという人を仮に作って1,000万でやってくれよ
と言う。なるべく地元の人達の顔も立つような事でひとつ案出してくれよというその程
度で金出すって事あるんです。だから、そういう点で私はこれから非常にですね、こう
いう都市計画家っていうお立場の人たちがきちっと皆様のためにどういう仕事をするか
と、お金の出し方、これがまちづくりにとってもものすごく重要だと思うんです。これ
はNPO、NGOで色々動いておられる方がいます。よくわかるんですが、NPO、NG
Oだってちゃんとした企業組織体としてなりたつためにどこからかお金が流れているわ
けです。それは国際的取り決めによってお金が流れているのかもしれません。あるいは
もしかすると広く地球環境防衛のために企業献金でなりたっているNPO、NGOもある
わけでしょ?だから、お金無しにNPO、NGOのこと語れない。専門家だってそうな
んです。土地づくり、まちづくりの。だから、都市計画が我慢する事だからとつまんな
い結果しか出て来ないんじゃなくて、もしかすると我慢しながらうまく利益も儲かると
いうような話だってあるかもしれない。片方で我慢して、片方で利益を手にするという
ようなまちづくりの案を作ってくれるのだったら、これは場合によっては少し金をだし
てくれるかもしれない。今のところなかなかそういう所まで行かない。ですから、次に
私は都市計画専門家としては、国がきちっとそういうお金を出すというシステムをつく
らなければならないといけないと思うんです。皆様方のお手元の資料の『今後の都市政
策は、いかにあるべきか』第一次答申(抜粋)というのがありますね。“執行体制の充
実と都市計画の専門家の活用等”と書いてあります。そこの所は特に読みますと、都市
計画はこれから、一言で言いますと、県庁を相手にするなと。都市計画で困った事があ
ったら県庁に駆け込めば県庁が答えを出してくれるという時代は終わったよと。市役所
がどこかに責任をなすりつけずに全部自分でやるという時代なんですね。そういう風に
なったんです。相当乱暴に言えば。で、困っています、市役所は。実際のところ。
今までは、県がこういったから、国がこういったから何とか議会を抜けきれていたのが
抜けきれなくなりそうなんですね。そういう、市が主体の都市計画をつくるとなると。
「地域の特性を活かしたまちづくりを推進するとともに住民参加型(これ役人用語ですか
らね)のまちづくりの要請の高まりに応え、都市計画制度を一層地域に根付くものとする
ためには、国、地方公共団体の不断の努力に加えて、都市計画に関する情報・技術の提供、
行政・住民・企業の間の利害調整を担う都市計画の専門家の果たす役割は重要であり、
その位置付けを明確化することが必要である。」こういう風に書いてあります。これはい
いかげんなものではなく、国が作った、この私が関与している都市計画の審議会が関与
して、今年の1月13日に出したホヤホヤのものです。これはぜひ皆様方頭に入れてお
いていただきたい。第三者という存在が色々なギスギスした関係を解くのに極めて役に
立つ。その第三者は今まで清貧に甘んじていた。大金持ちの医者でも、弁護士でもない、
しかし、かなり世の中のことを知っている中年の男共がそういう都市計画家というとこ
ろにいるぞと。ここでようやっと話が追いつくんですね。まちづくりという所で中年の
ご婦人がいて、亭主はどうしようもないという話をしたんですけれども、で、亭主とい
う中年の男がちょっと抜けてたんです。それから現場の若い男が来ました。この中年の
男共にも仕事場がある、それは、この都市計画家協会という所にありそうだ。最近の事
例を申し上げますと、これまでは都市計画が県庁の都市計画の部長さんも市役所の都市
計画担当の助役さんもある人の事を言うと、あの人の言う事じゃしようがねえなという
人がいたんです。それは学校の教師でも大臣でも何でもない。建設省にですね、都市局
というのがあります。都市局の技術屋の集団の一番の親玉、都市局の技術審議官が、昔
の話ですよ、今から10年位前、この技術審議官がどういう行動をとるかという事が、
県庁にとっても市役所にとっても大変重要な話だったんですよね。ところがですよ、最
近、画期的な事が起きた。この技術審議官やめた人がある所へ天下った、そんな事はど
うでもいい、このやめた人が都市計画家協会に入りたいと言い始めた。これに入れてく
れよと。メンバーにはいりたいから推薦人二人欲しいと言ってきた。やっぱりそれ位今
すごい勢いで都市計画が変わり始めている。専門家というのが、役所の中でいばってい
るだけでは専門家ではない。それから市民団体でも、まちづくりの情報良く知っている
わよと言うだけでもこれ専門家ではない。ついでに申し上げますと、今ご婦人方に積極
的に申し上げたい事は、知識を集めて情報のライブラリになるのは良いんですけれども
知識を切り捨てながらある提案をするという訓練がされてない・・・ご婦人方は弱いです
ね。申し訳ないですけれど、私が断言すると。訓練が足りないのか、もともと男女にそ
ういう基本的な性格があるのか、もって生まれたですね。男はいい加減なんですけど、
物事を組み立てる時には相当ちゃんとしたものを組み立てます。普段いい加減なんだけ
ど、いよいよとなった時には。条例作れなんていうとやっぱり男の方が向いてますね。
それから、PTAのいろんな文句を頭に入れながら小学校の設計を同時スタートで一週間
でやれよというのはたぶん、男の子の方がまとめられるかもしれませんよ。そういうも
って生まれた特質があります。そういう事を考えるといくら情報量が多いご婦人だけで
も提案はきちんと作れない。市役所の若い子は情報が全く無いから作れる能力はあるけ
れども規制のしがらみ、役所のしがらみで作れないという時には第三者が入って作ると
いうのは相当大事なのではないか。これが実は第2の都市計画という領域なんでして、
これが地区計画とかいう言葉で今都市計画法とは別の法律を作ろうか、そういう事が出
てきています。地区計画法というのがもしできるとすれば新しい市民参加型の、向う三
軒両隣の我慢をしながら、もしかすると儲かる事があるという事に対してのきちっとし
た法律でして、そこには土木も建築も造園もそういう縦割りは無いと。その法律のもと
に技術屋さんは今までの土木建築法律の縦割りをなくして市民社会のために動こう。で、
都市計画法はどうなるのか。これ、重要なんで申し上げます。今まで私が申し上げた事
は全部向う三軒両隣の調停とか居心地の良い社会を作るという事ですけれども、実はそ
れだけでも日本の都市はうまくいかないんですね。どうしても、ダイオキシン対応の大
きいごみ処理場は作らなければいけない、どうしても火葬場も必要ですし、どうしても
高速道路も造らなければいけない、これはもう明解なんです。どうしても、飛行場もも
しかしたら東京は造んなきゃいけないかもしれない。これ全部皆さんが反対する事なん
ですね。反対するんですけれども、俺の街に来ちゃ困るよ、全体として必要だとは思う
けどね。しかし、俺の町に来ちゃ困るよ。それから、環境的に反対という方もおられま
すけど、だけど、なかなかあの環境的に反対という方の困るのは、CO2削減という事
で一番良いのは飛行機に乗らなければいい、鉄道に乗ればいい事ですけれども、環境問
題の方は本当に実践されるのは大変だと思います。飛行機に乗らないで東京から札幌ま
で講演に行く時には新幹線と普通の鉄道に乗って行くっていうのが一番環境問題に貢献
するんですが、CO2に関しては。でもこういう事できないでしょ。だからやっぱりどう
しても飛行場作らなければいけない。もうみんなが嫌がる事を一手に引き受けなければ
ならない。もしかすると殺されるのを覚悟でやらなければならない都市計画というもの
がある、これは、僕はもう国がやるよりしようがないと思うんです、国が。これは成田
と同じです。それをもしかすると新しい都市計画法が担当しなきゃいけないとか。こう
いう風に随分私たちの都市計画の内容も変わってきましたが、ぜひ申し上げたかった事
は都市計画という4つの言葉は向う三軒両隣のためにお互い我慢をしてけんかをしない
様にするという事が、出発点であるという事。それから、けんかの調停というのはお役
所と住民だけの間でなく、第三者が必要だという事。それから、向う三軒両隣だけでは
なくて、全体として、必要なものをやるためにはどうしても国が入って来なければなら
ない。憎まれ役ですね。大体この三点をお話したと思います。ちょっと中途半端でござ
いますが、時間が来ましたので、これで終わらせて頂きます。どうもありがとうございました。

司会 どうもありがとうございました。今、先生の方からちょうど45分きっかりお話
し頂きました。ちょっとお断りしておかなければならないのは、まちづくりフォーラム
の方からの問題提起の中で今お手元に資料がいっていると思うのですが、3点ほど、き
ちっとお伝えするのを落としてしまいました。ここでちょっとお話させてもらいます。
今先生の方から、ほぼ三点ともお話があったかと私の方では聞いております。ただ1番
目のあえて言いますと、空港とかの話で国土計画的な話も出たと思います。千葉県の位
置づけ等につきましては、これから始まる懇談会の方で地域の話という中でお話があろ
うかと思いますので、そういう方向で失礼させて頂きたいと思います。あと、2と3と
につきましては、市民参加とか今先生の方でまとめて頂いた通りでよろしいんではない
かと。3の最後の方に偶々 まちづくりフォーラム が公務員が多いので、地区計画法な
んていう新しい法律がどうなんですかなんて事をちょっと書いたつもりですが、それに
ついては今都市計画中央審議会では都市計画法自体の見直し、再検討っていいますか、
その辺も含めてご検討頂いているという事なんで、そういう中の一つの話という風に考
えてみたいなと思います。後程またご助言等お願いしたいんですけども。ただ、司会が
言う事ではないんですがあくまで、都市計画中央審議会というのは都市計画法の審議会
ではなくて、都市政策自体の審議会という事ですので、かなり幅広い議論がされている
んだという風に理解させて頂きたいと思います。大袈裟な休憩という事ではなく、盛り
上がりもみられてきたので、このまま続行させて頂きます。
次に懇談会という事で、特に地域の方の内容を含めた格好で、先生への質問とか問題提
起とかそういう形で、あるいは、ご意見とかそういうものを頂戴したいと思います。そ
れで、実は事前に四方からお申し出がございまして、こういう事をぜひ話してみたい、
あるいは聞いてみたいとございましたので、
司会の方からその順に従ってお話をして頂きたいと思います。
まず、JCの渡辺さんの方からお願いしたいと思います。

渡辺 はい、あのう、かずさ青年会議所の渡辺といいます。かずさ青年会議所は袖ヶ浦、
木更津、君津、富津をエリアとしている団体でございます。私は木更津の者になるんで
すけども、この今のレジメの1番にあったものがそのままお聞きできればと思うんです
が、アクアラインが開通しまして、この木更津という地を含めた君津郡市というものが
通勤圏という事では大分充実をしてきた様に思われます。そしてまた、観光の千葉県側
の入り口として今後色々な形で都市計画をさらなる発展をさせていかなければならない
と思うんですけども、今従来の商店街が空洞化という事、そして又、モータリゼーショ
ンが発達する上でいろんな店舗が郊外へ流出していくと、そういった事を含めてこれか
らの人を引き付けるための都市とはどういうものなのか、君津郡市をどういう風に、そ
ういった観点ですすめていくべきなのかという事をご質問させて頂きます。

司会 ありがとうございました。一応すべての方にお話を承ってから、先生にお話をし
て頂きたいと思います。時間も先生のお話をできるだけお聞きしたいんで、出来るだけ
短めにお話し頂けるとありがたいと思います。ご協力ください。続いて、お申し出にな
りました高遠さま、よろしくお願いいたします。

高遠 私はこの地域で、園芸鑑賞会の事務局をやっております。それと建築士会の方で
まちづくり部というのがありまして、そこの部員でもあるので質問させて頂きたいと思
いました。先ほど先生のご講演の中に男女が、これは質問とは直接違うのですけど、も
って生まれた特質、性格があるから、女の人は訓練されていないという事がありました
けれども、私も夫の細い脛をしゃぶりついて勉強させてもらっている立場で、今日はそ
れのもうひとつの訓練だと思って質問をさせて頂きます。色々お話を聞いていてたとえ
ば先生方のような協会の方々にもなかなかお金を出す所がない、NGOとかNPOとか
がまずお金を出さない、そういうコンサルタントに対しては、役所とかゼネコンとか。
それだから、世の中お金儲け主義に走ってしまうのかなと感じながら、先生のお話が大
変うまくって、私も何か馬鹿な事を話すのではないかと今不安に思っているのですが、
質問の方にはいらせていただきます。木更津というと大規模開発という事で、さまざま
な立場の人がいろんなポジションにいるんですけど、県下あげてのビッグプロジェクト
を行ってきました。アクアラインが開通して、アカデミアパークにもようやくこう新産
業が入ってきた感じです。だけれど、今後企業がどんどんはいってくるかと思うと、そ
れも思わしくないんじゃないかという感じがします。それで、その準備のために急激な
下水道工事とかも行われているわけです。飛行場の問題等々と同じ様に下水道工事は大
事な事だと思っていますけれども。あと、区画整理事業がたくさんあるんですね。もち
ろん成功している例となかなか進捗率がはかどらなくて収束の目処もたっていない状態
です。市もいろいろとお願いに上がると、お金がない金がないという話を聞きながら、
たぶん市の財政は破綻寸前なんじゃないか。産業を持たない木更津市は景気を良くする
ための対策としてこういう区画整理事業を次々と行ってきたんだと思うんですけれども、
どうも一市民として地域活動の中からみえてくる中で、とてもじゃないけど、破綻して
破滅に向かっているんじゃないかと思えてならないのです。同じ投資をするならば、た
とえば高齢社会に向けての福祉のまちづくりの方向とか、そういうものに投資を転換で
きないものだろうか。あと、私も園芸鑑賞会をやってますから、そういう文化の拠り所
というものをきちんと築き上げていくのが大事じゃないかと思っています。話がもしか
したら逸れてしまうのかもしれないけれど、そういう方向に結びつくような方法が無い
ものかと思って質問させて頂きました。

司会 はい、ありがとうございました。
次に市原市からお見えの山本さま。お願いいたします。

山本 市原市のほうから参りました市民ネットワークという、それこそさっき先生がお
っしゃいましたすねかじりの婦人たちで集まっております団体でございますけれども、
そのすねかじりの団体という事では、そこで議論を始めますとあっという間に1時間2
時間たってしまいそうな気もしますし、女性には組み立てる能力がないという事に対し
ても心の底から遺憾に思っています。それはさておきまして、質問に入らせて頂きたい
と思います。市原の方は成田、幕張、木更津という県の三角構想の真ん中に位置してお
りまして今東部の方で、企業誘導とセットになって大規模開発が行われようとしており
ます。将来を考えて新産業を誘導しようという行政の思惑それから、県の思惑というの
がわかるんですけど、現在日本全体、及び首都圏の人口の減少というものが予測されて
おりまして、まして今は首都移転の問題ですとか、都心に居住を移そうという政策も行
われておりますし、それから常磐新線などの計画も目白押しになっております。そうい
う時にその三角構想のまん中におりますこの市原で、大規模開発をやっていく事の展望
がはたしてあるのだろうかという事が、非常に危ぶまれます。急速な全国どこもかしこ
も高齢化しておりますし、それから経済は日本全国このような状態ですし、国や自治体
の財政危機とは、毎日のようにテレビでも新聞でも報道されております。そういう中で
自治体が健全財政を確保しながらかつ、まちづくりを進めていく方法はないものだろう
かということについて、欲張った質問ですけれど、よろしくお願いします。

司会 どうもありがとうございました。次にお申し出になった田畑さま。よろしくお願いします。

田畑 「いなげのまちの道づくりの会」の田畑と申します。受け付けでお渡ししました
資料をご覧になって下さい。上の段のイラストが私たちが問題にしている新港横戸町線
です。ご覧の通り掘割り構造の半地下方式で計画されているんですが、私たちはこの道
路建設そのものに反対しているわけではありません。むしろ、この下の段の図をご覧に
なって頂きたいのですが、建設省が唱えている「21世紀の道づくりは広く地域住民の
声を反映されたものでなくてはならない」という考え方にのっとった提案をさせて頂い
ております。つまり、人にも環境にもやさしい計画(オアシス計画)を市民参加で作り
上げていきたいと思って活動しているのですが、伊藤先生にはこの「市民参加・住民参
加型のまちづくり・道づくり」ということについて、私たちの日頃の活動を通して感じ
ている事へのアドヴァィスを頂きたいと思います。私たちは住民の要望を突きつけて睨
み合いながら反対運動をしているのではないという事。私たちは、道路に蓋かけをして
その上を公園などのスペースとして利用しようというこのオアシス計画を提案している
のですが、それにしても言いっ放しにしない、自分たちの発言には責任を持って行政と
の役割分担もきちんとこなしていく、そのために自主的な常日頃の学習活動を展開する、
という心積もりをして市の方にもいろいろと話を持っていってます。それに対して、市
の方は、オアシス計画そのものの良さは認めるけれども、良いからといって、市がすぐ
対応できるものではない。お金の事や、市民参加でまちづくりという事が浸透するには
時間がかかる事などをあげて、どうもこちらの思いがうまく伝わっていかない。これか
らは、便利な道路が出来たからといってすぐ経済活動が活発になるという投資効果が期
待できるものではない、それだからこそ、市民と行政がパートナーシップを持って本当
に必要なものにお金をかけるようにしなければと思います。市の職員の方たちと良い関
係を保ちながらの市民活動について、よろしくお願いします。

司会 どうもありがとうございました。ここで、帰りのバスの時間もありますので休憩
に入りたいと思います。

伊藤 それじゃお話をします。4つご質問がありますけど、1つはアクアラインはどう
だという事ですね。あれはアクアラインはできちゃいましたからもう四の五の言ったっ
てしようがないわけで、あと借金返すのはどこですかね。銀行と開発銀行ですか。だか
ら奴等に考えさせればいいんです。あとは、使い方はですね、どういう風にすればとい
うことだと思います。しかし、たぶん、県庁の人はあすこになるべく車を通して、往復
8千円ですか、近い将来1万円になるのですかね。多くの車を通したいと考えられてい
ると思いますが、それは県庁に考えさせればいいんです。私たちは、今日は地元の方が
多くみえていると思いますから、地元の方の立場で考えればいいと思います。アクアラ
インが出来たからっていうんで、商店街の空洞化がもとへ戻るかというと、僕はこれは
まったく無関係な事だと思うんですね。アクアラインができようができまいが、商店街
の空洞化は始まってますし、アクアラインができたからといって、商店街が良くなるっ
てもんじゃない。金田の埋め立て地あたりに急に家がバタバタバタッと建って地主さん
方、あ、地主さん方あれ売っちゃったんですね。農家の方ね、あそこ。だから公団や県
の宅地事業がうまく行くかというと、うまく行かないだろうという事も覚悟しなければ
ならない。県庁や住宅公団は。相当住宅公団は深刻な覚悟していると思うのは、多摩ニ
ュータウンで今大変なことが起きているわけですね。多摩ニュータウンで宅地造成して
それを売ろうとしたら、民間業者がひとつも買いにこない、高すぎて。要するに質の良
いものを長丁場かけて、造るわけですから、当然原価がいくら安くたって造成コストか
けりゃ自然高いものになる。だから、金田湾の事もあまりアクアラインには関係ない。
じゃどういう関係が地元にあるかというと、私は、アクアラインを通ってくる人たち、
ちょっと失言するかもしれない・・・、一番いい人たちは、しゃれた感覚を持って来る人た
ちにここに来て欲しいなあと思うんですね。どうしても千葉県というのは、一番千葉県
で必要なのは、おしゃれ感覚という言葉に共通的に欠如している。すみません、実力は
あるんですよ。お金もいっぱい持っている、そのセンスが無い、んです。で、これは船
橋の駅前見ても、千葉市の駅前見ても、そうなんです。ところがアクアラインをずっと
来る、あれ、一種のものすごく今日本で一番しゃれた自動車通りと思った方がいいです
ね。あれ降りてきた所に、土地はうんと儲けなくても、センスのある衣料品店とか、セ
ンスのある飲食店とかスポーツ店とか、そしてできたら、いろんな外人さんしゃれた外
人さんがあの辺でうろちょろしてもらうと。そういう事が重要かなあと思うんですね。
で、ぼくがさっき車の中で高橋代議員と話していたんですけれど、ぼくがもし金田担当
の住宅公団の販売課長だったら、どういう言い方をするかというと、公共の外資系の金
融会社とか化粧品会社とかそういうとこへ行きまして、あそこに1反歩区画で大体120
坪位の家を建てるんで釣り舟・ヨット付き、お買いになりませんか?という商売をする
と思うんですね。で、空いたところは木を植えて森にします。田んぼだけど、とりあえ
ず森にします。これは、社宅として使うんですね。それで金土日、金曜日の夜から月曜
日の朝まで、そこにファッションモデルさんにとりあえず休みにいてもいいし、あるい
は香港系の華僑の人をその金融商社の、なんですか、モルガンスタンレー保険会社の人
が接待したっていいし、これは民民取り引きだからどんな接待しようが関係ない。官民
じゃないから。ぼくはそういうイメージのものをつくるべきだとおもうんですね。何を
言っているかというと、今、もう日本人、みんなチマチマしてきて70坪じゃないと売れ
ない、50坪じゃないと売れないという話になって、これは千葉県のニュータウンとか東
京の多摩ニュータウンとか港北ニュータウンいう所では、それはそういう風にして売る
べきだと思います。日本経済を支える日本人の若い人が住んでいる所ですから。だけど
木更津のこの往復1万円になろうとする道路を通ってやって来ようとする人たちは、や
っぱり別な人たちであって、これもやっぱりある意味で東京は魅力的な所だと思わせる
仕事に木更津が貢献すると。どちらかというと千葉県的センスを抜けて神奈川県の江ノ
島的センスですね。湘南海岸的センス。千葉県のモンロー主義なんてのは今時分とんで
もない話ですから。そうなんですよ。「千葉県と致しましては」という話位おかしな話
はないんで、それは、埼玉県と致しましてはとか東京都としましてはという話を聞くと、
大体東京の内側に住んでいる住民はいきりたって、なんで今ごろの時代に県境を言って
るんだ、と同じ話ですね。だからむしろ木更津周辺の人たちが、あ、こういう風になれ
ばアクアラインもけっこう役に立ったなという戦略を広くみて考えて、それを千葉県が
サポートするっていうのがいい。ですから、今の時期はなるべく、少ししゃれた外人さ
んがここへ来てそれをぼくたちが素晴らしい住宅で素晴らしいお屋敷だなとあこがれの
目で見るなんていう半分マゾヒスティックなんですが、相当重要な事なんですよ、これ
は。あるべき姿をきちっとそこに実現するわけですから。そういう風にしてしゃれた散
歩道にしゃれた森をつくって海の軽井沢が木更津にある、ちょっとまずいかな?(笑)
そんな事が一番目にあるから、
だから、中心市街地の問題はまったく関係無いという事ですね。
それから、ビッグプロジェクト論ですが、これは私ちょっと意見がありまして、ビッグ
プロジェクトは絶対なくならない。しかし、なくならないけれど、批判はしなければな
らない。なぜならビッグプロジェクトを日本がやるというのは、日本が世界できわめて
重要な形にいつのまにか作りあげてきた技術を維持管理するという点でものすごく大事
なんですよ。新幹線の時速500kmで走ったってびくともしない線路、砂利、コンクリー
ト、枕木とか。それから、明石大橋でしょ?これ世界で一番でしょ?トンネル技術って
すごいんですよ。要するに世界で発展途上国も先進諸国も絶対日本にしか頼むよりしよ
うがない技術というものを、日本は戦後土木屋の領域で作っちゃったんですね。ビッグ
プロジェクトを通して。これはやっぱりある程度維持管理していかなければならない。
ダムの開発とかですね。維持管理していくために、技術屋を生かさず、殺さず、こう、
細々と維持していかなければならない。そういう点でビッグプロジェクトを見ますと、
これはやっぱりビッグプロジェクトはけしからんという形ではない。むしろ、ビッグプ
ロジェクトを地球環境防衛的な意味で有効に使い、そしてビッグプロジェクトを作るま
での環境アセスメントをやると、もしかすると今までとは違うまったく質の良い環境ア
セスメントの評価ができる。たとえば、日本の橋を造る技術の現場事務所をISO14000
シリーズできちっと組み立てて行けば、もしかするとISO14000 シリーズのプロジェク
トとして認定を受けられるかもしれませんね。ISO14000とは、地球環境に貢献するその
企業の生産活動あるいは事務活動をきちっとやってますということを認定する世界の約
束です。ですからビッグプロジェクトはあっていいと僕は思うんですが、幸いな事に今
世界の経済の調子が悪いですから、東京の周りには、国際空港以外はビッグプロジェク
トはないですよ。アクアライン以来。東京湾口に橋造れという話がありますが、あれ造
る前に大分と愛媛の間に豊後水道の橋のほうが日本の政治組織からいって優先するはず
ですね。もっとその前に僕が一番みているのは、淡路島と和歌山を結ぶ紀淡海峡の橋で
すね。そういうのがずっと優先順位であるんですよ。東京湾口の道路なんて今からいう
と4番目位なんですから。ま、僕たちが死んで20〜30年たって仕事が始まるかなと。
66の男があと20年たってたら西暦2025年くらいに具体的な仕事があるとすれば動くかな
という程度です。
で問題は区画整理の話ですね。と、市の財政破綻と。私一番危惧してますのは、市の財
政破綻というのがこれから一斉に起きるんじゃないか、ということです。で、今国家の
財政破綻が取り上げられていますけど、市の財政破綻位、ツケをあちこちにまわして成
り立っているのはございませんね。県の補助金あてにするとか、あるいは地方交付税を
あてにするとか起債を自治省に何とか泣きを入れるとか。全部こういう風にして市民の
皆様方のある意味でわがままであった要求も鵜呑みにしてきたんですけれども。最終的
にはこれも気が付くと市の借金は県も面倒見ない、市も面倒見ないということになるん
じゃないかと思うんですね。そうするとたぶん、今までの借金は市民税で払うという事
になりますから、僕は国税とか消費税で、消費税10%に値上げとか国税・・・そうですね、
そんなことよりも市民税でツケ払うという事の方が非常に間近な話で出てきそうですね。
でいくか、もう一切の公共事業は市役所でやめてしまうとかですね。だから、そういう
事も念頭にいれると、これは技術者はなかなか出来ない事ですが、今重要な事は区画整
理とかいろんな橋を造るとかニュータウンを造るとか、それをビッグプロジェクトでは
ない中規模ですね、しかし、県の事業として重要あるいは市の事業として重要だという
そういう事業をですね、それから、どういう風にして撤退するかという、こう、そうい
う計画もこれからものすごく重要だと思うんです。撤退する。日本人は撤退といわない
で転身とか、前向きに解消するとか、いろんな言葉を知ってますから、なるべくその、
役人のメンツを損なわないような撤退の仕方ですかね。これは本気になって考えなけれ
ばいけない事。で、その撤退は見事に短期間でするという事が重要なんですね。で、撤
退しないで仕事が長々と動いていて、気が付いたら清算されるまで組合がずらずらと続
いている例を僕は蘇我の東口で聞きましたね。蘇我。あるいは戦争前に戦争中にあすこ
に飛行場をつくったのかな、川鉄のところ。その時に蘇我駅の東側に官舎、労働者の社
宅とかそういうものを造るんで、あすこ区画整理したんでしょ。軍の命令かなんかで。
昭和の18〜19年に。それの区画整理の最後の清算金の支払いが終わっていないという話
を聞きましたけれど。本当ですか?ついこないだ聞きました。3〜4年前に。だからあす
こは、登記ができない。仮登記はできるけれど。だから会社がですね、企業が思い切っ
てその土地を安値でも良いから処分したい時に、きちんとした登記所に権利移転の手続
きができないんで随分阻害しているなんて言う話を聞きましたけど。私、区画整理の専
門家じゃないんで、もし間違っていたら、ご指摘ください。要するに、今言ったように
すみやかにきちっと撤退をして、いろいろな関わった権利を整理するというそういう技
術が日本にはまだないんですね。いつも仕事を最後まで仕上げるという事についての経
験は持っているんですね。しかし、途中でやめたという判断をして、それを見事にやめ
ていくという事が重要なんです。見事にやめるという事がどういう事かというと、短期
間に勝負するという事、短期間に。こういう事をこれから市役所の市長さん方はやんな
きゃいけない。市長さんにはそういう頭ないですから、助けてやる助役が必要。だけど
助役が忙しかったりしてできないなら第三者の専門家に頼む事が必要。なぜそういう事
を言ったかというと実は、きわめて都市計画の中でですね、先ほど言った我慢するとい
う事は、都市計画の地域ですね、あなたの家を建てるにはこういう約束事ですから、ち
ゃんと守ってやって下さいと。片方であなた方の地域のためにどうしても道路が必要で
しょう、だから道路をつくる事をお約束します。という事で道路づくりをやってますよ
ね。ところが、その道路が、よくある話で、これ茅ヶ崎だと思いますが、都市計画道路
が30年たっても完了しない。1kmの都市計画道路をつくるのに。ま、20年たって
も完成しないという人もいるかもしれない。20年で1km、1年で50mですか。1km20
年かけてやるなんていう都市計画事業はいくらでもあります。50年かけてというのもあ
ると思いますね。でもこれ都市計画で決まった事だから用地買収に行きましたっていう
と、何事だといきりたっても、都市計画の法律で決めた事は正しい、裁判所に行っても
そのとおりだと。ところがその50年たって都市計画道路をつくったときには50年前の
時と世の中変わっているわけですから50年前はみんな自動車乗りたいと。病院に行くの
にも自動車が必要だった。病院が少なかったから。だからつくれといったけれど、50年
たったら、病院はあちこちに診療所もできたし、病院に行かなくてもいい薬もできたし、
看護システムできたし、今度は歩いていく方が大事だ。むしろ専用の歩行者道路を作っ
た方がいい。という時代になってもまだ都市計画やってんですよ。再開発もそうです。
これは非常におかしいと思います。僕は皆様から都市計画が信頼を失っている重要な要
因はそこにあるんで。都市計画にスピードの観念がない。時間の観念がない。一般のお
仕事というのは時間というのがものすごく大事なんですよね。だから、これ5年ででき
ると、民間がプロジェクトたてて5年でできなくなって、20年かかったら絶対仕事やめ
ますよ。で、他の事考えますね。民間だったら。それ、金利の観念ですね。それから先
ほどの「いなげのまちの道づくりの会」の田畑さんのご発言ですが、世の中、要するに
「魚心あれば水心」とかっていうのは、男と女の関係だったらすべてタイミングが重要
でしょ?大体。企業の売り買いだって全部そうなんです。だから、向うから誘いがかか
った時に、はっきりとイエス・ノーを言う。ノーを言うんだったらノーを言う、イェスだ
ったら積極的にやりゃあいいんです。それをわかったようなわかんないようなやつでや
ってきたら、もし恋愛関係で女がそういうこと言って男が適当な事言って5年か10年つ
きあったら、私の青春どうしてくれるっていう膨大な損害請求になりますよね。これか
ら、きっと民事でそういう事いっぱい出てきます。男がいい加減で3年も5年も返事を
引き伸ばしたために、私は大事な結婚の利益を失ったと。これからそうなる。だから男
の方気をつけた方がいいですよ。と同じなんです。要するにタイミングという事に対し
て、やっぱりお互い当事者間が気をつけなきゃいけない。ぼくはやっぱり道路の蓋かけ
の問題というのは僕の第一印象は、千葉市にそのタイミングとか潮時とか「魚心あれば
水心」とかそういう事が重要だと感じる課長さんや部長さんがいない。これ、千葉県の
仕事ですか、それでしたら、次、武間さんあたりに良く考えといてもらいたいんだけど、
そういうタイミングが重要だ、時間の要素が重要だという事を判断する人がいなきゃ困
ったもんですね。お役所仕事の不平不満全部そうです。いい加減に返事を引き延ばして
最後にわかったようなわかんないような事を言って。始めからだめだったらノーと言え
ばいい、ノーと。これはもう都市計画を超えた話しかもしれない。そういうことが今ま
ちづくりに出てきてますね。今住民参加のまちづくりにもいろいろあるんですが、どう
も時間の要素を無限大に引き伸ばせば、うまい話の連続で組み立てられるんですよ。例
えば、うまい話で私たちのまちを、歩行者専用道路をつくって身障者用の施設もつくっ
てごみ処理場もきちっとつくって、こういうのをつくったけど市役所はどうですかとも
っていったら、市役所の担当者は、けっこうな事ですね。じゃ、それを地区計画でひと
つお纏めになったら何分のご協力致します。なんて言うでしょ。で、地区計画つくった
とするでしょ。いろいろな施設を書くでしょ。これ、その、市役所によっては、財政事
情が許さないという名目で、気が付いたら50年たってもできないという事がおきるかも
しれないし、あるいは十分に時間的要素を考えていたらその時に課長が、4つも持ってき
たって10年でできませんよ。2つにしなさい。2つなら10年間で一応できますよ。っ
てなこと言って地区計画にするとかですね。これ、ものすごく大事な事なんです。そう
いう話し合いの中で、本当にお役所が信用できるかしらなんていう時に、昔は銀行が一
応頼りになった。今はできませんから、もう一度話を元に戻して都市計画家協会なんて
意外と良い事を言ってくれるんじゃないかと思うんですね。
それから、市原の住宅地開発、これは僕も相当問題だと思います。
住宅地開発に民間もはいってますからある意味で、これはですね、地元の地主さんが土
地を売りたいと思っているに違いないと思うんですね、僕は。土地を売りたいけど、も
う買いませんよと言わなきゃいけないと思うんですね、企業の皆様方。要するに、全部
この大規模開発というのは事前にそう動く前には、農地と、農地転用と、農業委員会と
の間の、暗黙の、ここは土地を売るという事についてのネゴシエイションがあるんでは
ないかと思う。千葉市は知りませんが。私の関わっていたたとえば東北の数県とか北陸
でもそうです。必ず何かの開発をする時には事前に農業委員会とか地主さん方の連合に
対する都市計画側の働き掛けがあって、農業委員会が、じゃあこれで売るということで
地主まとめるからなんてこと言ってるんじゃないかと。千葉県は知りませんよ。基本的
に農業委員会というのが今、他の所では、農業の振興目的に動いているのではなくて、
なんか、土地を売る代替事務所的な性格を持ち始めているんじゃないかという例がある
んですね。どうもその事に関わってくる。それに対して勇気をもって、もう土地は買い
ませんと、企業が言えなくなっている政治的風土は、例えば山形県とか、新潟県あたり
にありそうかなと思うんです。ま、これはご参考までの話です。
以上で45分終わりました。どうも。

司会 ありがとうございました。



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